コラム-神戸でのクーポンランチ500円に違和感を持つ声が相次ぐ

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ランチパスポート神戸三宮版

ランチパスポート(略称:ランパス)というのが、神戸ランチ学会の非公開グループで、その仕組み、広がりに対して違和感を持つ方の声が集まりだした。
経緯を少し説明すると、神戸ランチ学会には、1,000名を超えるメンバーの非公開グループがFB上にある。このグループには、毎日多くの情報が寄せられている。予想もされていたが発行日以降、「ランチパスポートを使って食べてきました」という投稿が増えていた。中にはとあるお店で、「お客全員がランチパスポートのお客で、見知らぬ人との意気投合した」という投稿もあった。こんな投稿をみてか、グループ内でも、約80店掲載されたお店を食べ歩くためのガイド本のようにしているメンバーもでている。
しかし、このランチパスポートの仕組み、その広がりについては、当初から危惧していたとおり、受け止め方は、神戸ランチ学会のこのグループでも、賛否は分かれていた。

通常700円以上の掲載ランチメニューが、すべてワンコインの500円で食べられる"魔法のランチ本"

すでに全国で広がりもみせているランチパスポート。消費増税後、地方の商店街、個人経営の飲食店の経営は厳しい。また一部の自由気ままに無責任な投稿が続く匿名系の大手グルメは不振の中、これは広告出版社の新たなビジネスの商機に手を出すと感じていた。ただ、消費者の受け止め方は慎重派も増えている。「基本は有料のクーポン本ではないかという声。また、ワンコインのしわ寄せは、なじみ客をつぶしたり、結果的にお店の経営を苦しめる麻薬になるという声。お店側も無料となるとそういう麻薬には弱いものだから応援して欲しいという声、出版社だけが儲かるのではという声」など、今もたくさんの意見が寄せられ続けられる。


★ランチパスポートって?★

NHKのあさイチの中でも特集としても取り上げられていた。ランチパスポートの発祥の高知や、女性経営者が印刷会社である埼玉の例などは、「お客目線での取材」、「経営不信のお店の活性化」、さらには「地域おこし」という視点で取り上げられていた。発祥の高知はどんな感じかというと、ブログをみると、確かに始まりはそうである。またそんな地域もあるということはわかる。

・発祥の地:高知の「ほっとこうち」によるブログ http://lunch.hotkochi.co.jp/

それなら、これは社会的企業、いわばソーシャルビジネスのようなものという感はある。しかし、地域によって出版する企業はバラバラ。印刷会社もあれば、食べろログやホットペッパーなどの広告代理店という例もある。神戸ランチ学会のグループの場で、発売当初から、予想以上に、いつになく異様な情報拡散的なものを期待した投稿が相次いだ。他の公開グループも活用し、盛り上げることに期待する、まるでステマ(ステルスマーケティング)投稿のようなものには、違和感を感じた。また、グループ管理者として、この仕組みが神戸のような大都市であって、本当にお店とお客の関係にとって良い結果に結びつく事なのか。そもそも、神戸ランチ学会の中核であるグループの場に持ち込まれて良いことなのか。これは今後にメンバー間の不信、不和を招くことに火種にならないかという危惧も感じつつ最初は静観していた。しかし、どうも状況はさらに酷くなっていくような感じであった。そこで、神戸ランチ学会らしく、多様な意見はあっても良いこととしつつ、あえて次のような文章を書き込んで、少しメンバーの意見を出てくるのを期待することにした。


★皆様にお願いです★

最近、ランチパスポートの投稿が多いですね。私、個人の思い、気持ちを申し上げます。ランチパスポートの発祥は「高知」。とても地方の「素朴な地域おこし」として始まり、それが全国に広がったことについては、とても神戸ランチ学会の思いと同じで、早くから注目し、私も凄く勉強にさせていただいています。しかし、その広がりは、違う形で都市に広がり、広告代理店の新たな商売に、お店とお客を巻き込まれているという、違和感は持ったりしませんか?

今は、とても商店街も個人経営のお店も、経営に厳しい時代。ただ個人店には、破格のクーポンやマスメディアというのは、麻薬で、ボクシングだと、ボディーブローのように後でこたえるんですよ。

地道に安定し、末永く、お店とお客側がコミュニケーションをとり、いわゆる「なじみ客」という関係を作っていく過程は、昔ではもっと友人からの口コミ。顔の見える、気心もわかってた人から聞いて、一緒行った。また、偶然見つけたお店がとても気に入ってしまって、新たになじみ客になってしまったというのがほとんどだったと思います。私の個人的な思いとしては、そんなお店についての情報を、この(非公開)グループにおいても、情報交換ができる場としてお使いいただければと感じております。いろいろ、ランチパスポートについてはお問い合わせも、最近何件かきていました。これを管理者としての気持ちとして、ご理解ください。どうぞよろしくお願い申し上げます。

・・・以上、少し、こういう「作られた、企画された情報」とは、慎重に付き合ってみませんか?という意味を込めて、グループ管理者による書き込んだ。この後に、先にあげたようなグループの反響、意見が続くことになった。


★多様な意見、感想はあっていい★

神戸ランチ学会というのは、すでにFBページのファンは6,000人を超える、SNSを活用した食と地域のコミュニティ。ただ、お店とお客が笑顔で顔が見える関係でつながれば、また地域に新たなつながり、創造もできるのではという願いを持って運営をしてきている。

先の投稿でリンクをつけておいた、高知のブログをご覧いただければ、少し感じ取っていただけるのかとも思うが、発祥の地の高知では、

1.地道にやっていること、
2.NHKでも取り上げられたように「地域おこし」のようになったこと、
3.さらに統一感をもって、全国に広げたこと

多少ビジネス的ではあるのかもしれないが、ランチパスポートの始まり、発祥の地での展開の仕方については、非難されるばかりのものではないという感じは受けている。情報が紙ベースのものが多い、地方の中心都市ではこの取り組みは、有料で買うホットペッパーのランチ限定版になる。ある意味、神戸限定ではあり、すべて無料であるが、神戸ランチ学会が、これまでのSNSを活用し、コミュニティとして盛り上がっているのと似ているのかもしれない。それだけに、このような場に情報を、神戸ランチ学会の1,000人規模になっているこの非公開グループや、他の食べ物系の地域公開グループに持ち込むのは、最も手っ取り早い宣伝方法になるのもわかる。潜在顧客を愛好者を集めているところで集中的に投稿をすることは、とても効果的である。

しかし、やはり「クーポン+ビジネス」というのが、この仕組みの基本である以上、SNSというものを活用した既存のコミュニティの場では、このような投稿があると、それは、受け取る人によって、楽しめる人と、全く対立する感情と、意見を持つ人が必ず出てくるものである。だからこそ、それが、結果的には誰のためにになり、誰のためにならないのかということをやはり考えたい。これは運営管理者の責任だと感じている。じっくり時間をかけ築いてきたコミュニティであっても、今の1,000人という規模の大きさも考えると、このコミュニティの凋落を招きかねない芽は摘む。早めにモデレートで軌道修正をしなけらばいけないところにだとも感じている。


★「グループを出会い系サイトにしない」★

ちなみに、FBの神戸ランチ学会のメンバー限定の(非公開)グループでは、同じメンバーだからといって、友達リクエストをすることについては厳禁としている。強制力はないが、「出会い目的の場ではない」ということを明確に打ち出している。むしろFBの友達承認をするときには慎重にと呼びかけている。よって、参加申請の時の承認作業の段階では、友達数が現実的に多すぎる人、グループへの参加が多い人については、メンバーからの紹介やメッセージつきの参加申し出でもない限り、グループへの参加承認もしていない。また、セキュリティの観点からも、幽霊メンバーになってきている方には、一定の期間様子をみて、休会状態になっている場合には、一度メンバーからも離れてもらうようにしている。かなり厳格で閉鎖的なのかもしれないが、そうしないと良好なコミュニティは維持できない。だから、最近は気になる投稿が相次ぐ方には、一度グループから離れてもらうようにもしていかねばと考えている。
また、FBのようなバーチャルな場より、顔の見える友人知人との情報交換のほうをより大事にしてほしいとしている。これは、投稿サイトである以上、主観を書くところであるが、コミュニティである以上、情報のプラット フォームとして成立するには、情報の量だけでなく、質があがらないと、読み手側になったときに、コミュニティにいるためのモチベーションがなくなってくるものだからである。メディアリテラシー、SNSリテラシーというようなものは、失敗を繰り返し経験則で培われるような時もある。SNSで嫌な思いもしたので使わなくなった、あるアカウントは開設休業中になったという例はたくさんある。実はそこにいろいろ落とし穴があり、昨今の乗っ取り騒動につながる温床んあっていrくこともく指摘されるところだ。
管理人としてグループの運営には、工夫もしているが、1,000人規模のグループになると、日々このモデレート作業については、難しさを痛感する。早く、フルオープンの6,000人規模のFBページの場に移すことを考えないといけないのかとも感じているが、グループならではの特徴的な機能もある。また、フルオープンの場では、シェアなどにより、さらに情報は拡散される可能性もある。それ以上にフルオープンの場に移すと、そこにまたコミュニケーション目的ではなく、出会い目的の商売系の方も群がってくることも考えられる。今の1,000人規模の閉鎖的なグループ以上にモデレートは大変になる。そんなことなどを考えると、まだまだその段階にまで、神戸ランチ学会は体制も経験も成熟期できてないとも感じている。


★投稿の量より、質をあげる★
神戸ランチ学会は、まずはコミュニティ運営の基本ポリシーと目指していくところを、何度でも丁寧に伝え、理解していただく段階にあると考えている。
まずは、その前提として、神戸ランチ学会のグループの場がFBページのようにならないといけない。まるで自由気ままで、無責任な投稿ばかり集まるようでは、無意味なSNSコミュニティに凋落していく。個人の思い表現を、より大きな場、フルオープンのネットワークの場での発信をしようとするということは簡単ではない。多様な意見が集まる場ということを投稿者自身がしっかり認識しておかなければいけない。表現の自由は最大限尊重されるものではあるが、意見が違う人からの辛らつなコメントがやってくることなどは当然ある。
ただ、多様な情報の交流があることで、あらたな発見、気づきが生まれ、またそこには、連帯、創造、発展いうものは生まれてくるものと考えている。さらに、地道な取り組みは、同時に継続ができなかれば、そこには終了、崩壊というものが待っている。
だからこそ、投稿の量より質をあげたい。神戸ランチ学会というコミュニティ、ネットワークというのは、まだまだ3年ほどの未熟なゆるいつながりで進んできている。コミュニティとしての発展していく過程で、まだまだたくさんの課題を持っていることに日々気がつく。投稿サイトではなく、コミュニケーションサイトであるということに、非公開グループもそのあり方をどんどん変化させていかないといけない時期に来ている。投稿の量より、コミュニケーションとしての質が上がらないと、グループは秩序のない、2ちゃんねるのような掲示板サイトのようになっていく。


★単なるグルメ愛好会ではない、グルメ情報誌の置き換えでもない★ 
お客が中心となって始まってしまったが、徐々にであっても、神戸ランチ学会という場では、そろそろ、お客とお店がつながる場を加速させていきたい。 
それをフルオープンの場となるFBページ上で実現できたら、もうお店は効果がない広告などもつかわなくても、また高いホームページなどを作らなくてもいい。グルメ本や自由気ままに書かれてしまうグルメ系サイトに気を回さなくても、お店は適切な情報を適切なタイミングで流すこともできる。そこで、お店とお客の新たな交流につながるきっかけにもしていくことができる。それが、それが食と地域のコミュニティへと発展させいく始まりになる。
これが、これから8千人規模にしていくまでの段階でのイメージである。神戸市内には1万店ほどの飲食店がある。その1%は、100人。その100人のうち、まずは10名でいい、料理人、店主、接客の立場でFBページへの直接投稿という形で、神戸ランチ学会を活用してもらえると面白い展開になっていける規模にはなってきたとも感じている。


★少し顔の見える関係の場で、衆知をあつめる実験★
メンバーのそれぞれの考えも尊重しつつ、「笑顔で楽しく」をモットーにし、フェイスブックというものを活用する以上、SNSのよい面、悪い面に慣れ、またよりよいコミュニティ像というのはどんなものか、末永く続けていくにはどうすればいいか、ということなど、多くのメンバーの衆知を集めながら、進めていきたい。FB(フェイスブック)上での神戸ランチ学会という地域のSNSの実験の場であり、その中核は、非公開グループのコミュニティの場で行って行きたいと考えている。それができなければ、3年ほど続けてきた価値はない。
自由気ままな食べ歩きの投稿サイトになっていくのであるならば、それは単なるフードポルノ(foodporn)のサイト。FB上でこれからも続けていく意義を徐々にではあるが、発信していきたい。そのためにこのRevolverというものを設置してみたところである。

どうぞ、皆様の多様な、ご感想、ご意見を、神戸ランチ学会のFBページにお寄せください。

*REVOLVER